ある夜のことだった。
子供たちがシャワーをしていたら「ママーシャワーが壊れたー!」との叫び声。
(また遊んでるな・・・)と覗きに行くと・・・
本当に壊れていた。全く水が止まらないのだ。
水栓レバーを奥へひねって前へひねってしてもシャワーは変わらずザーザー出続ける。
その日家にいる大人は私だけ。頼れる大人が帰ってくるのは明日の夜・・・困った・・・
ピコーン!(ひらめいた音)とりあえず家の水道の元栓を止めてしまおう!
(お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、こういった場合は家じゅうの水を止めなくても風呂場の(むしろシャワーの付け根の)水栓を止めてしまえばとりあえずシャワーの水は止まります。
対策はそのあと考えれば大丈夫です。)
私にはなんの知識もなかったので【家じゅうの水を完全ストップさせる】という暴挙へ出たのだった。
これからお話するのはそんな我が家の1日断水体験談である。
断水で困ったこと
『水がでない』災害時以外で普段なかなかそんな状態はないと思う。
実際に断水を経験すると困ったことや対策が少し見えてきた。
トイレが困る
水を止めて最初に困ったこと、それはトイレ問題である。
断水後1度目のトイレはタンクに水が溜まっているので通常通り流すことができる。
(タンクレストイレの場合は一時的に水を貯める場所がないので1度目から下記の通りになります)
問題は2度目以降の排水だ。
バケツ一杯程度の水(5~6リットル)を用を足した便器の中央部分へ水撥ねをよけつつ勢いよく流し込む必要がある。
それを2~3度繰り返してレバーを引くと通常時のように流れるのだが、この5~6リットルの水×3×用を足した回数というのが大変厄介なのだ。
しかも数回に1度は排水管の途中で汚物が停滞するのを防ぐために大量の水(10リットル以上)を流し込む必要がある。
そんな水どこに?
運良く前日の湯船に貯めていた水があったのでトイレ用の水として活用することができた。
もし、湯船に水が溜まっていなかったら・・・
日ごろから面倒でも浴槽に浸かる習慣を身に着けると疲れを癒す以外にも思わぬピンチを救ってくれるかもしれない。
手洗いが困る
私たちは日常的に何かと手を洗う。
トイレから出ては手を洗い、食事の前には手を洗い、外出から帰ったら手を洗う。
水が出ないこんな時はどうすればいいのだろう。
アルコール除菌シートなどで手を拭くのがベストなのかもしれない。
しかし、私は手を『洗いたい』のである。(わがまま)
拭いただけではなく、ばい菌たちを洗い流したいのである。(そんな時、ありませんか?)
そんな不満に助け舟を出してくれたのはドジョウたちである。
我が家ではドジョウを飼育しているので水替えのために日頃から2リットルペットボトル10本程度に水道水を貯めていた。
彼らの水を使用させてもらったおかげで今回の難を乗り越えたと言っても過言ではない。
彼らはまさにヒーローなのだ(言い過ぎだろ)
もし、ドジョウを飼っていなかったら・・・
水生生物の飼育はさておき、日ごろから少量でもいいので水道水の貯め置きをしておくとある日突然活躍するかもしれない。(夏場はボウフラ(蚊の赤ちゃんのこと。蚊は動きのない水に卵を産み付けます。)が湧かないように蓋ができる容器だといいと思います)
手洗いや皿洗いに水を使用したい場合は、
①ペットボトルの真ん中より下にキリなどで穴を開けて(ケガしないように気をつけて下さい)
②穴を指でふさぎながら水を入れて
③キャップをしっかり閉める
こうすると簡易水道が出来上がる。
使用する際はキャップを緩めるだけで水が穴から出てくるので蛇口感覚で緩めたり閉めたり調整して少量の水で洗い物をすることができる。
皿を洗う際は節水を考えて(泡が残ってたら嫌なので)できるだけ洗剤は使わない方がいい。
衛生面で心配な場合は皿にラップを敷いて使用するか、そもそも使い捨ての容器を使用することをおすすめする。(食器洗いのスポンジってザラザラの面よりふわふわの面の方が汚れが落ちるらしいですよ!意外ですね!)
食事・飲み水の用意が困る
『食事の用意をする』普段何気なく行っていたけれど確かに・・・水を大量に使用する行為だったことに気づいてしまった。
野菜を洗う・煮る・ゆでるこれらは水をなくして行うことができない。(無水調理?おいしいですよね!)
電気は通っていたので買い物に出て冷凍食品を買ってきたり、何なら外で食べたり総菜を買ってくれば解決したのだがなんだか今回は【水が出ない1日を体験する】に意識が完璧にシフトしてしまっていたので、外に出ずになんとかしてみようと思い家で調理をすることにした。
幸い我が家では通常時から2リットルの飲料水を箱買いしているのでこれを使用することでなんとか3食用意することができた。(汁物付き)
もし、水の買い置きがなかったら・・・
食事をとる・水分を取る。これは生きていく上の最重要事項である。
日常的に水は少し多めに買い置きしておき、使ったら買い足す(ローリングストックと言います)ことを強くおすすめする。
用意するものは災害時用の5年保存水でなくても賞味期限が近くなる前に普段の料理から飲み水に使えばいいので普通にスーパーに売られている水で問題ない。(ちなみにこの前買ったペットボトルの水の賞味期限見てみたら製造時から1年程でした。)
ちなみに飲料水に関しては、2リットル麦茶を箱買いしてあったので困ることはなかった。
洗面・入浴が困る
『風呂に入る』非常時には一番優先順位を下げなければならない問題かもしれない。
今回は1日だけということもあって自分も子供たちも風呂・シャワーを使用することはあきらめた。
しかし、これが長期化すると衛生面で病気のきっかけにもなりかねない。
どうすればいいか・・・
別容器にあらかじめ貯めた生活用水をペットボトルに入れて、蓋に複数の穴を開ければ(キリなどで開けます。ケガにご注意ください)蓋をして逆さにするだけで簡易シャワーの出来上がりだ。
「水はできるだけ使いたくない」という方にはドライシャンプーや全身の汚れを拭きとるウェットシートも販売されているので是非備蓄してほしい。
歯磨きについても同様に歯磨きシートで拭き上げる方法もあるが、「どうしてもうがいしてさっぱりしたい」という方は、その時だけは先ほどのペットボトルシャワーを活用していただけたらと思う。
1日を終えた感想
そんなこんなで夜、シャワーの修理ができる大人が帰ってきて平和な日常も帰ってきたのだが(「シャワーだけ止めればいいことをさんざん言われました)、『水が使えない』ということは大変に不便なことであった。
今回は【水】のみだったが、大きな災害時はこれに加えて【ガス】【電気】も使用できなくなる。
しかも自宅のみでなく周辺の住居・店舗まで同条件になるので「食事は総菜を買えばいいや」では済まない。
自分で何とかしなければいけないのだ。
子供たちは「水って大切なんだねー」とか「毎日水に感謝しないとねー」とか言っていたが、翌日にはシャワーを垂れ流して遊んでいた。(もちろんお説教です)
思わぬ【断水体験】だったが、家族共々いい経験ができたと思う。
今回は季節柄過ごしやすい時期だったので、夏バージョン・冬バージョン、または水だけでなくガス・電気も使用できない状態で【災害】について考えることも必要かなと考える。
反省点
思えば我が家には災害時用非常食(缶詰のパン・アルファ米・レトルトなど)や簡易トイレも用意があったのだった。
せっかくの『必要な事態に使用する』機会だったのに全く気が回らなかった。
子どもたちにも避難道具の使用方法や食事について教えるチャンスだったのに・・・そこが反省点である。
まとめ
ということで今回は【ちょっと報告書風】に断水体験をおはなししました。
水道関連って壊れると焦りますよね~。
突然水道関係のものが故障して慌ててネットで見つけた業者がぼったくり業者でした。なんて話はよく聞きます。
悪徳業者につかまらないように、水道トラブル時はどこの業者にお願いするかを前もってリスト化することをおすすめします。
(ネットやお住いの地域の役所などで聞いて水道局指定業者を調べておくと安心かも。)
と、話は逸れましたが是非、【家庭でできる災害訓練】おためしください。
いろいろと気づかされるかと思います。
ではまた!