お鍋っておいしいですよね~。
というわけでこんにちは!
今回は児童書の『せっしゃ、なべぶぎょうでござる!』をご紹介します。
ネタバレも含みますのでご了承ください。
作者について
作者はしめの ゆきさん。
千葉県出身。
出版社に在職中バレエ専門誌や単行本の編集に携わり、バレエ雑誌に掲載した『ティアラちゃん』シリーズ(新書館)が単行本となっています。
退職後児童文学の創作を始め、第12回日本児童文学者協会長編児童文学新人賞佳作を受賞。
著書に『美雨13歳のしあわせレシピ』『あなたのとなりにある不思議 ざわざわ編』などがあります。
絵を担当されているのは大串 ゆうじさん
茨城県出身。
多摩美術大学絵画科油画専攻卒業後、個展などで作品を発表しながら雑誌・テレビ・広告などのイラストレーションで活動。
おもな受賞に『グラフィックアートひとつぼ展入選』(1999年、2002年、2005年)、ターナーアクリルアワード入選(2001年~2005年)などがあります。
著書に『ねたあとゆうえんち』『よなかかいじゅうイビキラス』『しょうてんがいくん』『やまがみさまのきょだいべんとう』などがあります。
あらすじ
なべ田さんちは6人家族。
みんな食べるのもお料理するのも大好きなのですが、それぞれ好きなものがちがうので食べ物のことで毎回バトルになってしまいます。
とくに冬は鍋をめぐって大バトル。
もうすぐ小学3年生の末っ子ヒロはいつもそんな喧嘩ばかりの家族たちを前にオロオロしていました。
しかし今日は
「きょうはぼくになべをつくらせて!」
家族に無理だろうと笑われながらもアピールしてなんとか鍋当番の権利を手に入れたのです。
さあ、お料理開始!みんながすきな食べ物を入れればきっとみんなでおいしく食べられると考えたヒロは、鍋に合わないアレやコレを入れてしまって計画は大失敗・・・
「みんなでなかよくなべを食べたいだけなのに、なんで~!」
困ったその時鍋の中から白い湯気がもくもく・・・現れたのは【なべぶぎょう】!?
「なべのことならドンとまかせよ!」と言うなべぶぎょうにヒロは「かぞくみんなでなかよく食べられるなべをつくってください!」とお願い。
さて、なべぶぎょうはこのお願いをどう解決するのか!?
感想
鍋が食べたくなる!
で終わらせないのがこのお話のおすすめポイントです。
なべぶぎょうが提案する4つの鍋。
どの鍋も普段お料理する方には珍しいものではないかもしれませんが、工夫がこらしてあり「食べたい!」だけでなく「作ってみたい!」とも思わせるものです。
そして家族のバラバラの好みを一つにまとめるなべぶぎょうの腕がまたすごい。
「というか子どもを困らせるほど好みでぶつかりあう大人たちってどうよ?」ということや、なべぶぎょうが鍋の精になった理由、なんでなべ田さんちの鍋にいたの?なべぶぎょうの金の菜箸これからどうするの?などツッコみどころは満載ですが、そんなことはどうでもいいのです。
これは争いもいさかいも消して、みんなが仲良くなれる【鍋】というすばらしい料理があることを気づかせてくれるお話なので難しいことは考えなくていいのです。
私個人としては第二の鍋が食べたいと思いました。
まとめ
今は冬に限らず春夏秋冬お鍋をつつくのも珍しくないですよね。
あっさり味からこってり味、入れる具にも決まりはないので鍋の可能性は無限大です。
こちらの本にはきちんとレシピも不自然さなくお話に組み込まれているので、お子さまと読みながら一緒に作っても楽しいと思います。
作っても食べても楽しく仲良くなれる鍋ってすごい料理なんだなと改めて気づきました。
今回は『家族で食べる鍋』がテーマでしたが、友人とでも一人でもこの本を片手に自分の今の気分に合う鍋を是非作ってみてください。
夕方なんかに読んじゃうとお腹が空いてきて鍋が食べたくなること必至です。