こんにちは!
あなたは子供のころ(まだ子供だよという場合も)自由研究に何をしましたか?
今回はとんでもない夏休みの自由研究をした少年のお話【ウエズレーの国】についてご紹介します。
まずこの本、まったく予備知識もない状態で表紙が気に入ったので購入した一冊なのですが、表紙がすごく好きなんですよね~
なんかこう、スカッとするというかワクワクするというか、なんかいいんです!(語彙力の無さ)
作者について
作者のポール・フライシュマンさんはアメリカの児童文学作家です。
作風は歴史・音楽・自然科学をテーマにしたり、形式も詩からサスペンスものを書くなど多彩です。
また、児童文学と言っても幼年向け作品からシリアスなヤングアダルトまで書き分けているそうです。
詩集【楽しいひびき】では1989年にニューベリー賞を受賞、【Bull Run】ではスコット・オデール賞を受賞しています。
(以上、Wikipediaを参考にしました)
個人的には大好きな【種をまく人】の作者さんと同じ人が書いたと知ってびっくりしました。
【種をまく人】もかなりおすすめです。
あらすじ
主人公のウエズレー少年は周りの子たちと髪型も遊ぶ内容も好きな食べ物も違うから少し変わった子だと言われ、お友達がいなかった。
この町は家の形もみんなおんなじで退屈な毎日。
来週から夏休み、宿題に自由研究があることを理由にいいことをひらめいた!
勉強してきたことを生かして自分だけの文明を作っちゃおう!
庭に畑を作って自分だけのファッションを作ってゲームも自分だけの時間も作って・・・
自分で文字も作って、庭を『ウエズランディア』という国にしてしまおう!
すると周りの人たちにも変化が・・・
感想(ネタバレあります)
流行りとか常識とか、いわゆる『みんなと同じでいること』よりも『自分』という個性を大切にしたお話でした。
ウエズレーのご両親の、周りの子たちと違うことを気にかけてしまう気持ちもすごいわかります。
でもこのご両親すごいと思います。
「みんなと同じように過ごしてほしい」と強制することもなく、ウエズレーのやりたいことを否定せずに見守り(文字通り口も手もはさまず)結果「あの子しあわせそうな顔になったわ」と最後まで肯定している。
目指したいです、このご両親。
と、ここまでウエズレーの親目線でしたが、当のウエズレーもすごい!
人と同じじゃない自分を全く悲観することなく、したいことに挑戦しよう!と前向きな発想と行動力。
もうすごい芯が強い子なんです。
学校や独学で得た知識で農業をはじめたり布を織ったり、ちょっとした家具まで作っちゃう。
「つぎは何をするんだろう」とワクワクしながらページをめくる楽しみがあります。
そしてついに夏休みが終わって学校が始まった9月。
最後のページをめくってグッときました。
自分的には「個性を大切にしよう」というより「自分の好きを大切に、やりたいことをとことんやってみよう」というお話しに受け取りました。
まとめ
【ウエズレーの国】。
たった33ページの本なのにたくさんの経験をしたような充実感と最後には感動が待っています。
お子様と一緒に、一人でも何度も読み返したいお話です。
「ひと夏で作物が育って収穫して布編んで服作って部屋作ってって現実的じゃないよ」とか
「結局最後はみんなおんなじかい」とか
「よくわからん植物を食べちゃだめでしょ」とか
「商売まですんのかーい。で、通貨は作らないの?」とかツッコむ人もいるかもしれません。
その気持ちもちょっとわかりますが、それはちょっと置いといて・・・
きっと自分にも周りを変えるほどの何かができそうな、自分の中の『創造』を大切にしたくなります。
そして個人的にはお隣のおじさんが好きです。
隣の家の庭があんなんなったら気になるよねぇ
この【ウエズレーの国】というお話は教科書にも載っていたことがあるようです。
何歳になってもワクワクできてさわやかな読後感を与えてくれる一冊をぜひどうぞ!