我が子が大好きでノリが良すぎて周りに迷惑かけちゃうお父さん、子どもには楽しくて理想のお父さんだけど奥さんにとってはかなりしんどい存在です。
でもね、お父さんはただただ子どもたちが大好きなだけなんだ・・・
離婚をたたきつけられてしまったお父さんが、どうしても子どもたちと離れたくなくて奮闘する『ミセスダウト』をご紹介します。
作品紹介
監督 クリス・コロンバス
脚本 ランディ・メイエム・シンガー、レスリー・ディクソン
1994年公開
上映時間 126分
ジャンル コメディ
製作国 アメリカ
※作中に子どもに「今のどういう意味?」と聞かれると非常に答えづらいレベルの下ネタが出てきます。
家族で鑑賞する際は心の準備をしておいてください。
登場人物
ダニエル・ヒラード・・・主人公。俳優・声優として働いている。子ども3人の父。
ミランダ・ヒワード・・・ダニエルの妻。インテリアデザイナー。
リディア、クリストファー、ナタリー・・・ダニエルとミランダの子供たち。
フランク・ヒラード・・・ダニエルの兄。メイクアップアーティスト。
スチュワート・ダンマイア・・・ニックネームはスチュー。大学時代にミランダと付き合っていた。
あらすじ
自由奔放で自分の気持ちに正直なダニエルは声優の仕事で自分らしさを発揮しすぎて仕事をクビになってしまった。
さらに息子の誕生日を盛大に祝いすぎてご近所に迷惑をかけて妻からは離婚をたたきつけられる。
「子どもとの面会は週に1度」と裁判所に言い渡されたが、子どもたちが大好きすぎるダニエルはなんとかして少しでも一緒にいられるように考える。
そこに元妻が家政婦を探していることを知り「そうだ!家政婦として家に入り込めば毎日子どもたちと一緒にいられる!」と女装をして家政婦「ダウト・ファイヤー」として家に入り込むことを思いつく。
慣れない炊事に挑戦して、元妻には彼氏ができて・・・?ドタバタなミセス・ダウト。
そしてダニエルは子どもたちと一緒にいられるようになるのか!?
いろんな家族の形を考えさせられるファミリーコメディです!
見どころ
この作品の一番の見どころはなんといっても男性であるダニエルが女性『ダウトファイヤー』になりきるところです。
特殊メイクは本当に必見です。あの時代にあのクオリティ。フランク兄さんすごいよ!
声も女性そのものに感じるし、ロビンウィリアムズさんすごくない!?と驚かされました。
オープニングの歌のシーンもだけど、声の幅が広すぎてアテレコしたのかと思いました。
もう一つの見どころは「悪人が誰もいない」ところです。
実はあいつは裏で・・・みたいに誰かを疑って観ることなく純粋に観ることができるので、コメディとして素直に楽しめますよ。
ちなみに作中に出てくるプールのバーテンダーは主役のロビンウィリアムズさんの実のお兄さんが演じているそうです。(ウィキペディアより)
全然気づかなかった・・・
ネタバレありの感想
ここからはネタバレありの感想となりますので「ネタバレは避けたいよ」という方は視聴してから読んでください。
↓ ↓ ↓
子供の頃この映画を観た時は単純に映画の内容を楽しく感じて「こんなお父さんがいいなぁ」とか思ったりもしましたが、大人になった今観てみると感じ方がかなり変わりますね。
「こんな夫嫌だ」もう妻目線で物語を観てしまいます。
仕事も好き放題したいがために無職になったかと思えば家に動物園呼んで近所に迷惑をかけて警察沙汰。
家に入れば近所のちびっこが好き放題で家の中は荒れ放題。
後始末はすべて妻。これはたまりません。
家族を守るために仕事を頑張っているのに、好き勝手やっている人のせいで仕事中に警察から電話とかしんどすぎる。
たぶんご近所へのお詫びも夫がしている風でもないし。
ご近所どころか妻に悪かったと謝る気すらなさそう・・・
そりゃ子どもからしたらこんなエンターテイナーなお父さん大好きだろうよ・・・
でもね、大人になったときに周りに迷惑かけるようになったら困るからお母ちゃんは厳しく怒ったりもするんやで。
「口うるさく言うのはいつも私」うんうん。妻の言い分わかります。
これって結構似たような状況になっている家庭あるんじゃないでしょうか。
子どもと遊んだりすることだけフルスロットルのお父さん(さすがに家に動物園は呼ばないだろうけど)と常識と周りへの配慮のために奮闘するお母さんって家庭。
ダニエルはもう少し周りの気持ちを考えられていたら離婚にまではならなかったのかもしれません。
でも、ダニエルも妻のミランダの関係自体もう薄皮一枚だったのかなぁ?
ダニエルはひたすらに「子どもと離れたくない。子どもといたい」ということを主張してきました。
ミランダはダニエルのここが無理ポイントをまじめに話しているのに、そこは「話せばなんとかなるよ」みたいに言うけど結局解決せずに時間だけが過ぎていったようです。
そもそも離婚時点でダニエルに妻への愛はあったのか?
「君と離れることなんて考えられない」的なセリフも特になく、テーマは一貫して「子どもと一緒にいたい父」の話でした。
そして離婚後まもなく別の男と付き合いだすミランダも疑問です。
もはや2人の間に愛はなく、修復不可能な関係だった。
ここがまず一つの結論でした。悲しいけどね。
というかダニエル、大人になってもアレルギーのある人にいたずらするとか常識なさ過ぎて怖すぎました。
「あ、殺しちまった!」じゃないよ!シャレにならないよ!
そいういうところがダニエルに共感しづらいところでしたね~。
ダニエルがダウトファイヤーのようになれば家庭は円満という雰囲気だったので、てっきり家事や教育をきちんとするようになったダニエルが「ミセス・ダウト」ではなく「ダニエル」として一家を再生するのかと思いきや、結末はアレだったので、ご都合主義ではなく単純には解決しない夫婦の形や家族の形をリアルに感じました。
最後にダニエルが言ってたもんね「いろんな家族の形があるんだ」って。
この映画の本当のテーマはそれだもんなぁ。
ハッピーエンドで仲直り~じゃダメなんですよね。
見どころでも触れましたが、悪人がいないのがこの映画のいい所だと思います!
ステューは実は家庭を乗っ取って・・・とか子どもには陰でひどいことを・・・なんてこともなく、ただ普通に「いい男」って設定がよかったです。
ミセス・ダウトにひどいこと言われても言い返さないし、相当器の大きい人ですよ。
そりゃステューと付き合う方が正解だわ。とも思ってしまいます。
ダニエルはエンターテイナーとしては大きな成功をおさめそうだけど、父親としては常識をもう少し持ってほしいし夫としてはもう少し相手の気持ちをわかってほしいなと思うし、ステューは・・・あの作品中では悪い所は特に見当たりませんでした。
私的妻目線ではステュー一択です。あんな旦那がいい!
子どもたちの気持ちを考えたらあの結末がベストなんだろうけどさ。
あと、この作品「妻が外でバリバリ働いて夫は変装だけどお手伝いさんとして家のことをする」ってスタイル、現代では結構聞きますが当時としては珍しい家庭の形だったのかなと思います。
色んな家庭の形があるよっていうテーマにはこういったことも含まれているのかな?
途中に挟まれる「説明しづらい強烈な下ネタ」を回避できれば、子どもたちと『いろんな家族の形があるんだね』って道徳的にも観れるのですが、うーん・・・そこまでの力量が私にはないので「○○ってなに?」「今のどういう意味?」と聴かれたらうまく説明できる自信がありません。
そういった意味ではかなり罪な作品です。
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大人になってから女目線で鑑賞すると「ダニエルみたいな旦那は最初は楽しいかもだけど、ゆくゆくは苦労するわ」とミランダの気持ちに寄り添ってしまいましたが、そこはコメディ映画。大人になってからこそ理解ができて笑えるポイントもたくさんありました。
アメリカンジョークがよくわからなくて「?」というところもありましたが、久しぶりに映像作品で声出して笑いましたよ。
子供の頃観た時は単純に「ミセス・ダウト女装うまー!おもしろー!」といった感想しかありませんでしたが、大人になって改めて観てみると夫婦関係、子どもとの関わりについて考えさせられる結構深い内容でした。
この作品、ブロードウェイではミュージカル化もされている人気作品です。
テーマ自体はかなり重いはずなのにコメディとして楽しい気持ちにしてくれる『ミセス・ダウト』、おすすめです!
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